実績内容
対象期間:令和2年4月~3年3月
外来患者数 | 約4,500名 |
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初診患者数 | 約250名 |
精神運動発達遅滞・てんかん等の痙攣性疾患の紹介受診が多数を占めるが、末梢神経疾患・神経変性疾患・神経免疫疾患他の神経難病の診断・治療目的の受診も少なくない。
入院患者数
令和2年度は年間入院件数約400名、のべ入院数約2,500名。令和2年度の入院患者の約3-4割程度は、てんかん・痙攣重積などの痙攣性疾患であった。神経内科定期通院中の重度心身障害児の急性感染症はCOVID-19禍による感染予防対策の強化により激減した。定期通院の患児の神経症状悪化のための入院が2割程度、他に発達遅延・退行などの精査、炎症性脱髄疾患・辺縁系脳炎など神経免疫疾患の治療、急性脳炎・脳症などが主たる入院患者であった。ウエスト症候群をはじめとする難治性てんかんの入院治療例、あるいは、ギランバレー症候群・重症筋無力症・視神経脊髄炎/多発性硬化症・自己免疫性脳炎などの神経免疫疾患の入院も多い。
また、先天性代謝異常症・神経変性疾患・筋疾患などの診断に重要な、筋・皮膚生検、遺伝子検査なども国内外の医療・研究機関に協力を求めつつ、年間数十例以上の患児について種々の特殊検査を施行している。p>
主な強調点・社会への貢献
小児神経内科専門診療科として、脳炎脳症・難治性てんかん・代謝変性疾患などの、診断・治療の難しい患者様を中心に、地域の病院と連携しつつ患者様の診療にあたっていきたいと考えている。小児神経疾患の中でも頻度の高い、てんかん他の痙攣性疾患については、脳波/ビデオ同時記録・持続モニタリングを積極的に行い、特に難治例の治療に力を入れていくつもりである。
また、多発性硬化症・重症筋無力症・ギランバレー症候群などの神経免疫疾患については、難治例の治療に必要な、免疫科・腎臓科・小児集中治療科の3科を東海3県で唯一有する施設であるために、これらの3科と連携して、難治性神経免疫疾患の治療に中心的役割を果たさねばならないと考えている。
誌上発表
- SCN8A-related developmental and epileptic encephalopathy with ictal asystole requiring cardiac pacemaker implantation
Yutaka Negishi, Yusuke Aoki, Kazuya Itomi, Kazushi Yasuda, Hiroaki Taniguchi, Atsushi Ishida, Takeshi Arakawa, Sachiko Miyamoto, Mitsuko Nakashima, Hirotomo Saitsu, Shinji Saitoh
Brain Dev. 2021 Apr 4;S0387-7604(21)00061-9. Online ahead of print. - Hyperpigmentation over the metacarpophalangeal joints and the malleoli in a case of hyaline fibromatosis syndrome with ANTXR2 mutations
K Sugiura, A Ohno, M Kono, H Kitoh, K Itomi, M Akiyama
J Eur Acad Dermatol Venereol. 2016 Oct;30(10):e44-e46. - Hippocampal diffusion abnormality after febrile status epilepticus is related to subsequent epilepsy
Setsuri Yokoi, Hiroyuki Kidokoro, Hiroyuki Yamamoto, Atsuko Ohno, Tomohiko Nakata, Tetsuo Kubota, Takeshi Tsuji, Masashi Morishita, Takashi Kawabe, Misako Naiki, Koichi Maruyama, Kazuya Itomi, Toru Kato, Komei Ito, Jun Natsume
Epilepsia. 2019 Jul;60(7):1306-1316. - Successful corpus callosotomy for post-encephalopathic refractory epilepsy in a patient with MECP2 duplication syndrome
Sotaro Kanai, Tohru Okanishi, Ayataka Fujimoto, Shinji Itamura, Shimpei Baba, Mitsuyo Nishimura, Kazuya Itomi, Hideo Enoki
Brain Dev 2019 Mar;41(3):296-300. - Identification of novel BCL11A variants in patients with epileptic encephalopathy: Expanding the phenotypic spectrum
M Yoshida, M Nakashima, T Okanishi, S Kanai, A Fujimoto, K Itomi, M Morimoto, H Saitsu, M Kato, N Matsumoto, T Chiyonobu
Clin Genet. 2018 Feb;93(2):368-373. - 不明熱の経過中に中枢神経症状を認め、遅れて頭部MRI病変が出現した後天性脱髄症候群の小児2例(原著論文/症例報告)
塩原 拓実(あいち小児保健医療総合センター 総合診療科), 熊木 達郎, 鈴木 基正, 辻 健史, 小島 泰子, 跡部 真人, 青木 雄介, 糸見 和也
日本小児救急医学会雑誌 19巻1号 Page91-94 (2020.02) - 非典型的症状を示したbrain-lung-thyroid syndromeの1例
小島 泰子(秋津療育園), 跡部 真人, 青木 雄介, 鈴木 基正, 糸見 和也, 田中 達之, 齋藤 伸治
脳と発達 53巻1号 Page44-48 (2021.01)