診療内容

心臓血管外科の診療は、手術を中心とした外科手技を用いて、心臓・循環器疾患を治療することです。
治療対象は、先天性心疾患、小児期の後天性心疾患、心不全・不整脈などに対する外科治療です。このほかに、急性の呼吸・循環不全に対するECMO治療、重症心不全に対する小児補助人工心臓治療を行っています。
診療理念
1953年ジョン・ギボンという外科医が初めて人工心肺装置を用いた心臓手術を成功させました。以来70余年、かつては治療困難とされた病態に対しても、有効な治療ができるようになってきました。救命を願って手術を行う時代から、術後の生活に高いクオリティーを求める時代へと変化しつつあります。私たちも、質の高い治療をより快適な環境で行うために、循環器科・新生児科と連携をとりながら、麻酔科、集中治療科、産科、ICT、救急科、看護部、臨床工学室、臨床検査室、放射線検査室、薬剤部、リハビリ、保健、臨床心理、保育、栄養など多くの仲間たちとともに、ハートチームとして取り組んでいます。
当センターは、診療部門はもとより保健部門と併せて、名実ともに小児の保健医療における総合センターです。この特色を活かし、お子さんを取り巻く緒問題にも柔軟に対応しています。お子さんの気持ち、精神面にも配慮した医療を心がけています。
先天性心疾患の心臓は、ときに簡単には理解できないような複雑な構造をしていることがあります。わかりやすい説明を心がけ、十分にご理解いただいた上で治療を行います。理解しやすいように、可能な限り、お子さんごとに心臓の絵をお渡ししています。そして、お子さんごとに、オーダーメイドの治療戦略を立ててゆきます。
当科の特徴
心臓血管外科では、開設以来これまでに3,000件をこえる手術を行ってきました。応援してくださったみな様に感謝申し上げるとともに、これからも、この先も、みな様のお役に立てるよう全力で取り組んでゆきます。
最近、心臓・循環器分野では、「ハートチーム」を中心とした治療の必要性が言われています。心臓はからだのエンジンであり、文字通り「心臓部」です。そんな大切な「からだの中心部」を治療するのに、主治医ひとりの力では限界があります。そこで、循環器科・心臓外科に加え、麻酔科、集中治療科、看護部、臨床工学室をはじめとする各分野のエキスパートが集まって、いろいろな角度からの様々なアプローチで治療を進めてゆきます。これがハートチームによる治療です。
2016年11月周産期部門がスタートし、産科・新生児科が加わることで、ハートチームがさらに進化しました。胎児期に心疾患を指摘されると、赤ちゃんが生まれてくるまでハラハラ・ドキドキ、気が気ではないでしょう。私たちは、胎児期からお母さんとともに児を育み、計画をたて、生まれてきてからの治療につなげてゆきます。各分野のエキスパートが集う小児センターだからこその総合力です。
心臓血管外科からのお知らせ
心臓血管外科では、診療の質を向上させるために、一般社団法人 National Clinical Database(NCD)の手術・治療情報データベース事業に参加しています。また、これとは別に、さまざまな臨床研究をおこなったり、治験に参加したりしています。診療情報の二次利用を含む特定データを収集し、個人情報に配慮したうえで、国内外での学会、研究会、医学誌などで発表することがあります。
心臓血管外科は、将来の良き臨床医育成のため、心臓血管外科専門医資格をもたない専攻医、修練医、研修医も診療に参加しています。また、大学からの依頼を受け、医学部学生の臨床実習に協力しています。当センター所属外の国内外医師をはじめとする医療従事者や、学生、医療機器・薬品会社関係者などが研修することがあります。
臨床研究や治験、当院での実習・研修に関するお問い合わせは下記にご連絡ください。これらのご協力はお子さんおよび保護者(代諾者)へのお願いであり、参加されたくない場合はご協力をお断りいただくことができます。このことで日常の診療において、お子さんおよび保護者(代諾者)が不利益を被ることはありません。
あいち小児保健医療総合センター 心臓血管外科 村山弘臣
愛知県大府市森岡町7-426 電話:0562-43-0500
hiroomi_murayama@sk00106.achmc.pref.aichi.jp