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センター長のあいさつ
センター長あいさつ
- あいち小児保健医療総合センター
センター長 伊藤 浩明
あいち小児保健医療総合センターは、2001年11月1日に一部オープンして21年目になります。その歴史の中でも、2016年の救急棟と周産期部門設置により、高度急性期医療を軸とする小児病院に大きく変化してきました。2019年から始まった新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、本来の責務である「子どもの最後の砦」としての医療を、中断することなく続けています。
当センターの設置母体である愛知県病院事業庁は、2023年度から5年間の「病院事業中期計画」を策定しました。その中では、高度急性期医療や高い専門性を求められる医療を堅持する社会的な使命とともに、県下全域の母子保健、福祉、教育など子どもに対する様々な活動を支える役割も明記されました。子ども家庭庁が作られて、「異次元の少子化対策」が検討されています。子どものための医療機関としては、受診患者さんの診療だけでなく、社会全体の子ども政策を支えるために、病院から打って出る活動もますます重要になってきます。
これまでにも、新型コロナの小児例について県下全域の医療機関との情報交換や入院調整、医療的ケア児支援センターに対する協力機関、教育委員会における学校検診やアレルギー対応に関する専門委員、被虐待児の受け入れはもちろん、そのハイリスク児を地域全体から拾い上げるシステム作りなど、多方面の社会的活動を行っています。重症患者の広域搬送、小児の臓器移植推進に向けた諸活動など、日本の医療水準を引き上げる取組も私たちの役割です。
我が国の少子化は、予想を上回るスピードで進んでいます。さらに、各種ワクチンの普及と感染防止対策が徹底された影響で、感染症中心の小児医療は大きな岐路に立っています。しかしその中で選ばれるのは、より高度で行き届いた医療と、より活発な保健予防活動であり、それを提供する小児病院の役割はまだまだ減ることはないと考えています。
臨床研究室が設置され、名古屋大学の連携大学院「総合小児医療学講座」に指定されたこともあり、臨床研究も年々活発になってきました。PubMedで2022年を検索すると、当センターの名前を含む200報を超える論文が掲載されています。こうした情報発信も、小児医療の水準を引き上げる当センターの使命のひとつです。
昨年度、開設20周年の節目として、センターの活動を紹介する書籍「子どもたちの未来のためにできること」を発刊しました。そのコンテンツは、このWebサイトからも検索・閲覧できるようになっています。LINEによる情報発信や相談受付も始まりました。お子さんが何かの病気になったとき、又は体調不良があってもどこに受診して良いかわからないとき、当センターではどんな医療を提供できるか紹介していますので、ぜひ覗いてみて下さい。
2023年4月1日