診療内容
腎臓科では、健診や学校検尿などの尿検査で血尿や蛋白尿を指摘されたお子さんだけでなく、胎児期から先天性腎尿路奇形を疑われているお子さんから成人に移行する時期の患者さんまで、さまざまなきっかけで腎臓の病気を発見されたすべての患者さんを対象としています。尿路の感染症、急性・慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、急性腎不全や慢性腎不全の治療(腹膜透析、血液透析、腎移植)など、幅広い腎尿路疾患を対象に診療を行っています。
主な対象疾患
腎臓科からのお知らせ
イベント情報
現在予定されているイベントはございません。
診療理念
「腎臓の病気に取り組むすべてのお子さんとご家族に勇気と笑顔を届けたい」
お子さんの腎臓の病気の中には、長く上手に病気とお付き合いしていかないといけない病気も少なくありません。このような慢性の病気を持つお子さんやご家族と一緒に診療に取り組むときの我々の目標は「お子さんが、本来のそのお子さんらしい子供時代を過ごすことができるように」、そして「将来大人になった時には、本来のその人らしい豊かな成人期を過ごすことができること」と考えています。毎日の日常生活や学校生活がより良いものになるように、また患者さん本人だけでなくご家族も含めた将来の幸せも念頭に置いたうえで、いま現在本当に必要な治療は何であるか、ということを常に意識して診療を行います。
当科の特徴
- 学校検尿から腎移植後の管理まで、小児のすべての腎疾患を対象としています。
- 出生前の胎児の赤ちゃんから成人施設への移行まで、診断の初期からその後の遠隔期まで、腎疾患をもつお子さんの小児期のすべてのステージを支援します。
- 腎不全、特に慢性腎不全の治療や管理(体液管理、栄養管理、腹膜透析療法や腎移植などの腎代替療法の管理)に積極的に取り組んでいます。
- 慢性腎不全の患者さんで問題となる体調の変化や症状は、腎臓だけの問題ではありません。腎臓の働きが十分でなくなってくると、心臓や血管、骨や血液など、全身の他の全ての臓器に影響を及ぼします。そのため慢性腎不全のお子さんの診療を行う際には腎臓だけではなく、腎臓以外の全身の臓器に対しての常に注意を払いながら治療を行うことが大切と考えています。
- 慢性腎疾患のお子さんが、本来のそのお子さんらしい子供時代を過ごすことができるように心がけます。
- 腎不全に限らず慢性腎疾患のお子さんでは、身体的な問題だけではなく、お子さんの心の健康状態、毎日の家庭での生活や課外活動も含めた学校生活など社会的にも快適に過ごすことができているかどうかなど、心理社会的な面にも十分に配慮して治療を継続していくことが大切と考えています。
- 長期間治療を要する慢性糸球体腎炎やネフローゼ症候群などの治療では、できるだけ長期の入院は避けて可能な限り外来で治療を行うことにより、本来のあるべき日常生活や学校生活をできるだけ妨げないように配慮することに心がけて治療を行っています。
- 全ての医療行為を実施するにあたり、治療により得られる有益性と生じうる不利益の両者を天秤にかけ、客観的な評価を繰り返しながらバランスのとれた診療に心がけます。
- 免疫抑制薬を使用する際には血中濃度や薬物動態に基づく投与量の調整を行っています。
- 小児期に治療や管理が必要となる慢性腎臓病では先天性腎奇形と関連があることも多いため、当センターでは腎臓科と泌尿器科が連携して診療に取り組んでいます。
- 下部尿路の形態・機能異常に対しては、腎臓科と小児泌尿器科が協力して、検査から診断、外科的治療とその後の長期的な内科的管理まで途切れることのない診療を行っています。
NCKiDsについて
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- NCKiDs[Nagoya City Kidney Disease Study Group]とはNagoya City Kidney Disease Study Groupの略で、当センター腎臓科もメンバーの一員です。
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- 下記のページでNCKiDsプロトコールを紹介しています。
https://www.nagoya2.jrc.or.jp/kidney-center/syounikannzouka/
特殊医療機器
- 腎生検
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- (ア) 経皮的針腎生検
- ①1歳程度の体格より可能です。
- ②自動生検装置(ガン)を使用して超音波下に施行
- (イ) 開放性腎生検
- ①泌尿器とともに全身麻酔下で腎を露出して生検を施行しています。
- (ア) 経皮的針腎生検
- ガンマカメラ装置
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- (ア) Tc-99m-DTPA 腎シンチグラフィー
- ①分腎機能、腎臓からの尿の排泄を見る検査です。
- (イ) Tc-99m DMSA 腎シンチグラフィー
- ①分腎機能、腎臓の傷を見るために用いる検査です。
- (ア) Tc-99m-DTPA 腎シンチグラフィー
- 透析療法
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- (ア) 段階的腹膜透析導入(SMAP法)
- ①腹膜透析カテーテルを皮下に埋没した状態にしておき、実際に透析療法を開始する時にカテーテルを引き出して行う方法で入院期間の短縮に役立っています。
- (イ) 自動腹膜潅流装置(APDシステム)
- ①Baxter ゆめ血液浄化用装置を使用しております。
- (ウ) 血液浄化
- ① 持続血液濾過透析、血漿交換等
TR-5252台(東レメディカル) - ② 血液透析
DBB-272台(日機装) - ③ LDL吸着
MA-031台(カネカメディックス)
- ① 持続血液濾過透析、血漿交換等
- (ア) 段階的腹膜透析導入(SMAP法)